第6回イベントのレポート

ひめぶるの「子供上棟式」は、老人ホームのお年寄りと 子供たちの心温まる交流が実現する。

前回、大好評でありました子供上棟式。去る11月7日(土)に、このたびも特別養護老人ホームのご協力を得て、開催いたしました。
子供たちが、無心に木を組み上げていくなかで、一人ではできないことも、みんなで声を掛け合って実現することを身体で学んでいく。このプロセスだけでも、大変感動的で、意義深いことだと思います。
ひめぶるの場合は、その学びのエネルギーを、老人ホームのお年寄りに伝搬させていくところに、さらなる感動と喜びが生まれます。
前回2015年6月に、特養ホーム「揖保の郷」で行ったときには、参加者みんなでその喜びを分かち合うことができました。
その喜びを一緒に感じていただいた、ご紹介者の神尾さんのご協力もあって、再び、11月に特養ホームでの子供上棟式を計画することができました。

また、ひめぶるは、西播磨の工務店グループですから、メンバー工務店は普段から上棟式は行っています。しかしながら、工事現場であるということもあって、本当に身近に木組みの素晴らしさをお客様に体験していただくことは、なかなかできないのが実情です。
子供上棟式のように、ミニチュアキットを使って行う形式であればこそ、本格的な木組みを実際に体験していただくことが可能なのです。工務店や大工さんが、一番伝えたい感覚や喜びをダイレクトに分かち合うことができるということ。私たちひめぶるは、これも子供上棟式の素晴らしさの大切な部分だと考えています。

いよいよ始まる上棟式。今回は小さな子や女の子も びっくりするほど頑張った。

朝8時会場のやまさき白寿園の玄関前広場には、ひめぶる特製の「上棟式キット」が整然と並べられました。
ひめぶるメンバーの大松建設が、地元の森林である宍粟の山で育った杉の木で製作したものです。神社、仏閣も手掛ける宮大工の棟梁が、昨今のようなボルトで留める工法ではなく、在来の継手で組み立てられるようにした、大切な逸品です。
ひめぶる代表の旭ホームズ桝社長。副代表で今回イベント担当の身野建設身野社長のあいさつや諸注意事項を、子供たちも真剣な表情で聞いてから、いよいよ組み立ての始まりです。
今回の参加者は、前回に比べて小さな子供たちや女の子が多いのが特徴でした。はたして、重たい材料を持ち上げられるだろうか?高い所を怖がらないだろうか?私たちも少し心配でしたが、
棟梁の丁寧な説明を真剣に聞き入る表情をみていると、そんな心配も吹き飛びました。みんな、身体に力がみなぎって、エネルギーのオーラを発散しています。上棟式ならではの濃密で張りつめた空気感が、白寿園の前には全体にみなぎりました。

大松建設の棟梁が作ってくれた、ひめぶる上棟式キット。組み立てながら、力の伝達が身体で学べるのだ。

ひめぶる代表桝社長のあいさつ。集中力が高まっていく。心地よい緊張感。

最初は僕が僕がと言っていた子供たちが、そのうち 役割と協力を理解していく。アイコンタクトと掛け声で 知らない子とも友達になれる。

ひめぶるメンバー工務店が用意したヘルメットをかぶり、しっかりとあごひもを締めて、いよいよ作業開始です。
一番下の土台を組み上げる間、子供たちは、公園の遊具の順番待ちと同じで、私がやりたい、私にやらせてという「我先に」状態になります。みんな順番で均等に材木に触れて、木槌を振って木になれていきます。サッカーのファーストタッチのような状態です。
地面で柱と梁を組み立て、いよいよみんなで起こす段階になりました。この段階になると子供たちはごく自然に目と目で合図して、
掛け声を掛け合うようになります。もう「我先に」状態ではなくなります。これは傍で見ていてもびっくりするような変化です。
子供のこのような変化を見て、大人たちは、自分の普段の立ち居振る舞いを振り返る、いい機会になります。
自分一人ではできないような大きなものを、協力して作り上げることの素晴らしさ。その変化の一部始終がリアルに目の前で展開されていきます。実に面白いのです。みんな夢中になりました。

ひめぶるメンバー工務店それぞれのヘルメット。しっかりあご紐を締めて!

地面で組み上げた柱と梁をセーノで起こしていく。

リーダーシップも大切な要素。ごく自然に出来上がっていく。

最初は地面で木を組む作業。少しづつ木に慣れていく。

棟木を上げて、上棟となる。それぞれの役割と協力が出来上がっている様子はよくわかる。

作り上げた喜び。身体感覚が記憶に刻まれていく。

子供たちのエネルギーが白寿園のお年寄りに伝わって いく。お年寄りの表情が柔らかく変化していく。

白寿園のお年寄りたちは、最初から最後まで、子供たちを見守り、応援してくれました。
最初は固まった表情のお年寄りも、無心に打ち込む子供たちの姿に思わず身を乗り出して、応援してしまいます。
家づくりの象徴ともいえる上棟式。世代をつなぎ、時代をつなぐ、太古の昔から、日本人が大切にしてきた瞬間が、子供たちのおかげで復元できたのです。

子供たちがみんなで重い材料を押し上げるときお年寄りたちも、思わずセーノの声がかける。忘れていた記憶が、それぞれよみがえる瞬間。

会場の全景写真。お年寄りが見てくれていることで子供たちは張り切ることができる。

赤ちゃんとお年寄り。この無邪気さが、みんなを打ち解けさせてくれる。

のこぎり引き、カンナ掛け体験。 身体の使い方。力の入れ方を実体験。

上棟キットの組み立ては、人数制限があるので、このイベントは二交代制にして、午後から棟上げをするチームは、午前中はのこぎり引きとカンナ掛けにチャレンジします。
のこぎりは、最初はなかなかうまくいかず、みんな悪戦苦闘。でも途中で投げ出すことなく、丸太を最後まで切っていました。
カンナ掛けは、これまた難しいので、大工さんが一緒にやってくれます。出来上がった鉋くずは、子供にとっては木のリボン。
みんな鉋くずが大好きになりました。檜の香りも大好き。
このいい香りとともに、記憶に刻まれていきます。
お年寄りにも、木のリボンをそれぞれにプレゼントしていました。
香りが呼び覚ます記憶。貴重な時間です。

引くときに力を入れる。子供たちの飲み込みは早い。

カンナ掛け体験。ぐっと力が入る。

祝上棟 みんなで記念撮影。 是非また、やりたいこのイベント。

上棟キットが組みあがって、みんなで記念撮影をしました。
うれしい瞬間と心地よい疲れ。
小さな子供たちも、きっとヒノキの香りとともに、木を触って木を組み上げた体験を身体が記憶していることでしょう。
是非、また、この体験学習をイベント化したいとひめぶる一同考えております。
是非、応援してください。

老人ホームとひめぶるを繋いでくださった、「笑いヨガ」の神尾さん。

お年寄りをやさしくマッサージしてくれた、ハンドヨガの中田さん。

最後にみんなで記念撮影!
お疲れ様でした!
そして・・・ありがとうございました!